収入が不安定な生活
お金がないのが恒常化したのは、30才代に入ってからで、夫が著述業で、私も工房を造って独立した後、収入が不定期になったことでした。
この頃には、電気、ガス代が一ヶ月遅れになったこともありました。
やむを得ず、私は自分が作ったアクセサリーを知人の家に売りにいったり、七宝焼講習会を開いたり、ブティックに作品を置いてもらったり、会社などに売りに行ったこともあります。
工房では七宝焼きの教室や展示会なども定期的に行ないましたが、教室は収入は定額に入ってきましたが、全体に固定のお金が少ないので、年中、収入が不安定でした。
作品を売るだけでは間に合わなくなると、短期間のアルバイトをしました。
単発で出来る仕事です。
軸足は工房に置いていたし、ライフワークは決まっていたので定職には付きませんでした。
二週間位で終わるアルバイトを探しました。
例えば、アンケートの調査でした。
短期間に終わるので、工房の仕事の合間にできました。
工房の延長上で、ブラウスやシャッ類などを卸で買いに行き、展示会などで売ってみたりしました。
知人の紹介で、セーターなども売り、マージンをバックしてもらったりしましたが、なかなか収入は、安定しませんでした。
夫が記事を書いていた出版社も傾いて、原稿料の遅配が始まると、夫の収入は全く当てにできなくなりました。
引越し代のお金は借りる事に
結局、生活費は、私が調達することに専念し、何とか賄ってはいました。
けれど、とうとうある年末、お金が調達できなくて、年末商戦の派遣の仕事をしました。
その仕事は、長時間立ちっぱなしで、仕事が終わってみると、生理が止まってしまいました。
病院へ行くと、子宮筋腫だといわれ、42歳で入院手術をし、入院費は、やむを得ず、母に借りました。
その後も退院すると、工房とアルバイトという生活が始まりました。
45才の時、夫が地方で定職を得て、やっと、生活は安定しました。
この時の引越し代は、カード会社からまとまったお金を借りましたが、一年半位かけ返済しました。
今は頭金を貯め、中古住宅を購入しましたが、今まで、お金も貯蓄もなく、刹那的に生きていて平気だったなと思うと若さのエネルギーを感じます。
今では、もうあの目茶目茶な生活はできないでしょう。